今日はベイトリールのオーバーホールについてです。
年も明けて、釣りをするには厳しい気温となり中々釣り場に足が向かない時期ですよね。
そんな時は春以降のハイシーズンに向けて、リールのメンテナンスをしておくのは如何でしょうか?
本来はメーカーにリールを送って工賃やパーツ代を払ってオーバーホールをしてもらうのがベストなのですが
今回は自分でオーバーホールをする方法を解説させて頂きます。
自分で行えば工賃を節約できますし、愛着もより湧くこと間違いなしです!
今回は解説用にシマノ製の17スコーピオンDCをオーバーホールしていきます!
必要な道具はこれだけ!
まずは必要な道具の解説からですが、大前提として人によって使う道具が多少異なりますのでご了承ください。
まずは左から1ミリサイズのマイナスドライバー、No.1サイズのプラスドライバー、ペンチ、10ミリのメガネレンチ、ピンセットです。
これだけあれば最低限の分解、組み立ては出来ます。
このほかに、分解したパーツを置いておくためのトレーやグリスを散布するための綿棒やハケや小さいパーツの洗浄に使う小瓶があると便利です。
グリスやオイルは純正品がオススメ!
オーバーホールをするには、工具以外にもパーツクリーナーやグリスやオイルと言ったケミカル類が必要になります。
古いグリスやオイルを落とすためのパーツクリーナー、ベアリングやシャフトの潤滑に使うオイル、ギアの潤滑に使うグリスが必要になります。
こうしたケミカル類は詳しく解説すると、非常に専門的な話になってしまうので基本的に純正品を使用するのがベターです。
社外製品やそのほかの用途のグリスやオイルの方が純正品より高性能なこともありますが、慣れないうちや
ケミカル類に対しての知識が無い方は純正品を使用しましょう。
パーツクリーナーに関しては、速乾性かつプラスチックやゴム製品にも使えるモノを選びましょう。
ベイトリールには意外にプラスチック製のパーツが使われていますので、そうした部品にダメージが入ることを防ぐためにパーツクリーナーはプラスチックにも対応したモノを選びましょう。
分解は非常に簡単です!
分解は非常に簡単です。
ハンドル側から順番に外れる部品を外していくだけです。
え?それだけ?と思うかもしれませんが、本当に難しいことは特にありません。
強いていうなら、2点だけ
1つ目が画像のようにパーツを外した順に並べておくと良いでしょう。
もしくは、バラしながらスマホで写真をとっておくのもオススメです。
管理人は組み立て順を覚えていますので、上の画像もこの記事用にざっくり並べているですが
組み立てる時ように、外した順に並べておくと良いでしょう。
順番が分からなくなっても、購入時に付属している説明書を見るかメーカーのHPに展開図がありますのでそちらを参考にしてください。
2点目がEリングと取り外しです。
画像のパーツの一番手前側にある半円に近いリングがEリングと呼ばれる部品でくぼみにマイナスドライバーを入れてクルッと回転させると簡単に外れるのですが、この時に飛んでいきやすいパーツです。
非常になくしやすいパーツなので気を付けてください。
シマノ製のリールの場合2か所このEリングがありますので、十分に注意してください。
まずはパーツクリーナーでしっかり古いグリスやオイルを洗浄すべし!
分解が終わったら、まずはパーツの洗浄からです。
こちらも難しいことはありません。
リールの外装やフレームなどの大きなパーツはパーツクリーナーを散布したキッチンペーパーやキムワイプ等でグリス等の汚れをふき取りましょう。
細かいところは綿棒をを使うと作業しやすいです。
ベアリングや座金、ビスなどの細かいパーツは画像のような小瓶にパーツクリーナーをためて瓶を振って洗浄するのが手っ取り早いです。
一分くらい瓶を振ってやればこの通り
画像の白く濁っているのが古いオイルやグリスの汚れです。
今回はあまり汚れていませんでしたが、汚れがひどいときはもっとグレーっぽいような色になります。
パーツの洗浄が終われば後は、組み立てとグリスアップと必要に応じてパーツを交換してオーバーホール完了です。
塗り過ぎ注意!グリスとオイルを塗ろう!
まず、大前提としてグリスとオイルの使い分けですが
ベアリングにはオイル、ギアにはグリス
これでOKです。
画像のピニオンギアとドライブギアにはグリスを塗ります。
今回使用したグリスはこちらの
シマノ製 プレミアムグリスです。
通称デュラグリスと呼ばれるグリスで
シマノの自転車部門のハイエンドのデュラエースと呼ばれるグレードのグリスになります。
このグリスですが、非常にオススメのグリスです。
自転車に興味が無い方はご存知ないかもしれませんが、シマノの自転車パーツは非常にレベルが高く
国内、世界共に非常に高いシェアを得ています。
ツールドフランスと言う最も大きな自転車レースにおいて出場選手の90%がシマノ製のパーツを使用しているほどです。
その中でも、最もハイエンドのグレードのグリスがこのプレミアムグリスになります。
このグリスをウォームシャフト以外のギアに薄く塗ってください。
ざっくりと薄く画像のように塗ればOKです。
ウォームシャフトにこのグリスを塗ると粘度があり過ぎて回転が重くなる可能性がありますので注意しましょう。
グリスの次はオイルですが
ベアリングには純正のベアリング用のオイルを使いましょう。
純正のオイルは画像のようなオイルとグリスがセットで売っていますのでこちらのタイプを使用しましょう。
また、画像の左のグリスはドライブギアやピニオンギア用のグリスとは違い粘度の低いグリスとなっていてこちらのグリスはウォームシャフトと一部のベアリングに散布するグリスとなっています。
一部のベアリングにも使用するグリスですが、ベアリングはまとめてオイルで大丈夫なので難しいことを考えずに
ベアリングには純正オイルを使いましょう。
(今回はシマノ製のオイルが切れていたのでシマノ製リールですがこちらを使用しました。)
後は通常メンテナンスと同様にハンドルノブやスプールシャフトにオイルを塗布してオイルは終了です。
ベアリングとギアにオイルを差し終わったら次はドラグワッシャーです。
上の画像の方がドラグ用の座金で下の方がドラグワッシャーです。
この二つにもギア同様グリスを塗布します。
本当はドラグ用のグリスがあるのですが今回はちょうどきれてしまっていたのでギア用のグリスで代用しています。
ドラグのワッシャーは塗り過ぎるとドラグの利きが鈍くなります。
ドラグの効き方には好みがあるので一概には言えませんがギア同様に均一に塗るのですが、ギアに塗布するときよりも若干多く塗るのが個人的にはオススメです。
ゴロゴロ感やシャリシャリ感はベアリング交換で直る?
洗浄してグリスアップしても回転にゴロゴロ感やシャリシャリ感が残る場合はベアリングを交換してみましょう。
個人的な経験から大体のゴロゴロ感やシャリシャリ感はベアリングの交換で直るケースが多いです。
なので、とりあえずベアリングの交換からしてみるのがオススメです。
ベアリング等のパーツはシマノ、ダイワ共に注文できるので展開図に記載されているパーツ番号で注文することが可能です。
ベアリングだけの交換であればモノタロウやアマゾンで適合するサイズのベアリングを購入するのもアリですが
リールに使われることを想定したベアリングではないため、ものによってはゴロ感やシャリ感が出やすくなる場合もありますが
純正のモノより格段に安いので、回転が悪くなったら交換するぐらいのつもりで使用してみるのもオススメです。
ベアリングの交換で直らなければ、ピニオンギアとドライブギアを交換してみてください。
組み立てはビスや座金のサイズに注意!
組み立てるの一番の注意は座金やビスのサイズを間違えないことです。
ビスのサイズが間違っていると、きちんと固定されなかったりすることがありますし
座金の種類を間違えるとガタが出たり、最悪回転が悪くなることもあります。
特に座金は展開図ではサイズが分かりにくいので、分解時にきちんと順番通りに並べておくか
スマホの写真を参考に組み立てましょう。
最後に
如何だったでしょうか?
本当はバラシも組み立ても画像を使って説明したかったのですが
画像の枚数が100枚を超えてしまったので諦めましたw
なので、今回は要点を絞って解説させて頂きました。
分解しえ見れば分かりますが、非常に単純な構造になっていますので展開図と分解時に写真を撮っておけば
組み立てもそんなに苦労することもないと思います。
最後に注意事項ですが、分解するとメーカー保証が受けられなくなることがあります。
また、作業はあくまでも自己責任でお願いたします。
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